※本記事掲載の画像はイメージです。実際と異なることがあります。
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母の異変に気づいたのは、実家のキッチンでした。
いつも通りの日曜日。久しぶりに実家を訪ねた私は、ガスコンロの上に置かれた鍋を見て、動けなくなりました。空焚きの跡。焦げついた鍋底。そして、それに気づいていない母の後ろ姿。
「お母さん、この鍋……」
「あら、何のこと? 今日は何も作ってないわよ」
その瞬間、胸の奥がぎゅっと締め付けられるような感覚がありました。母はいつもの穏やかな表情のまま、鍋の存在すら覚えていなかったんです。
65歳の私・ヒロです。元ITエンジニアで、定年退職後はAIを活用した仕事と投資で生活しています。そんな私が今、最も時間と心を使っているのが、認知症の母の介護です。
60代になると、親の介護は「いつか来る話」ではなく「今まさに起きている話」になります。しかも、私たち自身も腰が痛い、目が見えにくい、体力が落ちた…自分の老いとも向き合わなければならない世代です。
「親の認知症」と「自分の老い」。この二つが同時にやってくる…。これが、60代の子世代が直面する最大の試練だと、私は身をもって感じています。
でも、安心してください。
最初に言っておきたいのは、一人で抱え込む必要はないということ。そして、「知っているかどうか」で、この先の人生がまったく変わるということです。
この記事では、私自身の経験を交えながら、60代の子世代が親の認知症にどう向き合えばいいのか…「最初にやるべきこと」「お金の壁の乗り越え方」「プロを巻き込むチーム介護の作り方」まで、具体的にお伝えしていきます。
制度は、知っている人だけの味方です。この記事が、あなたの「最初の一歩」になれば嬉しいですね。

最近、母の物忘れがひどくて……これって認知症なのかしら? 不安で夜も眠れないのよね



テルさん、その不安は正しい反応ですよ。大事なのは「気づいた今」が、一番早い対応タイミングだということ。一緒に整理していきましょう
【はじめに読んで下さい】(免責事項)
【免責事項】
1. 記事の内容について
本記事は、筆者(ヒロ)の実体験や調査をベースに構成していますが、読者の皆様に分かりやすく解説するため、一部フィクションや一般的な事例を織り交ぜています。すべての記述が筆者の個人的な事実とは限りません。
2. 情報の正確性について
掲載している情報(制度・手続き・商品・サービス内容、IT機器の仕様や設定手順など)は、執筆時点での正確性を期しておりますが、その後の法改正・制度変更・アップデート等により、最新性や完全性を保証するものではありません。
3. 健康・介護に関する情報について
介護保険サービスの利用条件、健康保険の給付、医療費の自己負担額などは、お住まいの自治体、ご本人の要介護度、世帯の所得状況等によって大きく異なります。実際のご判断にあたっては、管轄の市区町村(介護保険窓口)、地域包括支援センター、主治医、ケアマネジャー等の専門家にご自身の状況をご相談ください。
4. 税金・保険料・年金等の手続きについて
税金や社会保険料の計算、各種公的手続きは、お住まいの自治体やご家族の状況によって大きく異なります。実際の手続きにあたっては、管轄の市区町村役場、税務署、年金事務所、ハローワーク等の窓口、または税理士・社会保険労務士等の専門家にご相談の上、進めていただけますようお願いいたします。
5. 投資・資産運用に関する情報について
投資にはリスクが伴い、紹介している手法や結果はあくまで一例であり、将来の運用成果を保証するものではありません。相場環境やご自身の資産状況・リスク許容度によって、適切な投資方法は大きく異なります。実際の投資にあたっては、金融機関や公認ファイナンシャルプランナー(CFP)等の専門家にご相談の上、ご自身の判断と責任において進めてください。なお、本記事は特定の金融商品への投資を勧誘・推奨するものではありません。投資、占い、その他不確実性を伴うテーマは、情報提供・エンターテインメントを目的としたものです。
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1. 60代の親が認知症かも?「加齢の物忘れ」と「認知症」の決定的な違い


「最近、お母さん忘れっぽくなったなぁ」…そう思ったとき、頭をよぎるのは「年のせいかな?」と「もしかして認知症?」の二択ですよね。
実は、この二つには決定的な違いがあります。そして、その違いを知っているだけで、不安の正体がはっきりします。漠然とした不安ほど人を追い詰めるものはありません。まずは「知る」ことから始めましょう。
1.1 「食べたメニューを忘れる」のと「食べたこと自体を忘れる」の違い


加齢による物忘れと認知症の物忘れ。一見似ているようで、本質はまったく違います。
加齢による物忘れは、体験の「一部」を忘れるものです。たとえば「今朝、朝ごはんに何を食べたか思い出せない」。でも「朝ごはんを食べた」こと自体は覚えている。ヒントを出せば「ああ、そうだった」と思い出せます。
一方、認知症による物忘れは、体験「そのもの」が記憶から消えます。「朝ごはん? 食べていないわよ」…実際にはしっかり食べたにもかかわらず、食べたという事実自体がなくなっている。ヒントを出しても思い出せません。
私が母の異変を確信したのも、まさにこれでした。
日曜日に一緒に買い物に行ったのに、翌日電話すると「昨日は一日家にいたわよ」と言う。レシートを見せても「知らない」と首を振る。忘れたのではなく、体験そのものが消えている…その違いに気づいた瞬間、背筋が冷たくなりました。
| 比較項目 | 加齢による物忘れ | 認知症による物忘れ |
| 忘れる範囲 | 体験の一部(メニュー名など) | 体験そのもの(食べたこと自体) |
| 自覚 | 「忘れっぽくなった」と自覚あり | 忘れたこと自体を認識できない |
| ヒントの効果 | ヒントがあれば思い出せる | ヒントがあっても思い出せない |
| 日常生活への影響 | 工夫(メモなど)で対処できる | 日常生活に支障が出始める |
| 進行 | 大きく進行しない | 時間とともに進行する |
1.2 こんな変化があったら要注意 60代の子が気づくべき7つのサイン


「うちの親、大丈夫かな……?」と思ったときのために、私が実際に経験した母の変化も含め、見逃してはいけない7つのサインを整理します。
- ① 同じ話を何度も繰り返す : 5分前の会話を覚えていない。「それさっき聞いたよ」と言うと怒る
- ② 日付・曜日・季節の感覚があいまいになる : 「今日は何曜日?」が答えられない。真夏にセーターを着ようとする
- ③ 料理の味付けや段取りが明らかに変わった : 得意料理が作れなくなった。同じ食材を何度も買ってくる
- ④ 「盗まれた」と言い出す : 財布や通帳をしまった場所を忘れ、「誰かに盗まれた」と疑う(物盗られ妄想)
- ⑤ 身だしなみに無頓着になる : 以前はきちんとしていたのに、髪を整えない、同じ服を何日も着る
- ⑥ テレビの内容が理解できなくなった : ドラマの筋が追えない。ニュースの意味がわからず、ぼんやりしている
- ⑦ 怒りっぽくなった、または無気力になった : 些細なことで激昂する。逆に、何にも興味を示さなくなる
母の場合は、③と④が最初のサインでした。あれほど上手だった煮物の味が突然変わり、「お醤油が足りないのかしら」と言いながら二重三重に入れていた。冷蔵庫を開けたら、同じヨーグルトが8個並んでいたこともあります。
1つでも当てはまったら、迷わず相談してください。「様子を見よう」と先延ばしにした時間は、残念ながら取り戻せません。
1.3 「年のせいだから」と放置した場合に起きること


「まだ軽いから大丈夫」「年のせいでしょう」…この判断が、結果的に状況を悪化させるケースは非常に多いです。
認知症は進行性の疾患です。風邪のように「寝ていれば治る」ものではありません。しかし、早期に発見して適切な治療を始めれば、進行を遅らせることができる場合があります。
放置した場合に起きうることを、あえて具体的に書きます。
- BPSD(行動・心理症状)の悪化 : 徘徊、暴言、被害妄想が強くなり、在宅介護が困難になる
- 交通事故のリスク : 判断力の低下により、運転中の事故を起こす可能性が高まる
- 詐欺被害 : 判断力が鈍り、振り込め詐欺や悪質商法のターゲットにされやすくなる
- 銀行口座の凍結 : 認知機能の低下が銀行に伝わると、預貯金が引き出せなくなる
- 家族関係の破綻 : 介護負担の偏りや、対応の難しさから家族間の摩擦が増大する
怖がらせたいわけではありません。ただ、「早く動いた人ほど、その後の選択肢が多い」というのは、私の経験から言える事実です。
母の場合、気づいてからすぐに地域包括支援センターに電話したおかげで、専門医の受診、介護認定の申請、ケアマネさんとの面談まで、約2ヶ月でたどり着くことができました。あの時「もう少し様子を見よう」と判断していたら、と思うと、正直ゾッとします。



おばあちゃんがちょっと忘れっぽいくらい、年取れば普通じゃないっすか?



タケシくん、その”ちょっと”が認知症の初期サインかもしれないんだよ。「年のせいか、病気か」を見分ける方法を知っておくだけで、対応のスピードがまるで違ってくるんだ
2. 親の認知症に気づいたら、60代の子がまずやるべき5つのこと


「認知症かもしれない」と気づいた瞬間は、頭が真っ白になります。何から手をつけていいかわからない。誰に相談すればいいのかもわからない。
私も最初はそうでした。ネットで検索しても情報が多すぎて、かえって混乱するばかり。あの時の焦燥感は、今でも忘れられません。
だからこそ、ここでは「やるべきことを5つのステップに整理」します。これさえ順番にやれば、最短ルートでプロの支援につながれます。
2.1 【STEP1】地域包括支援センターに電話する 最初の一手はここ


最初にすべきことは、たった一つ。「地域包括支援センター」に電話することです。
「地域包括支援センター」という名前、聞き慣れない方も多いですよね。私も最初は「何それ?」状態でした。簡単に言うと、高齢者と、その家族のための「なんでも相談窓口」です。全国すべての市区町村に設置されていて、相談は無料。家族だけで行っても大丈夫です。
- 介護・福祉・医療の専門スタッフが常駐している
- 認知症の相談、受診先の紹介、介護認定の申請代行もしてくれる
- ケアマネジャーの紹介も受けられる
- 相談は無料。予約なしでも対応してくれるケースが多い(事前電話推奨)
「何を話せばいいかわからない」という方も心配いりません。私が最初に電話したときも、こんな感じでした。
「すみません、80代の母のことで相談したいのですが……最近物忘れがひどくなって、同じ買い物を何度もしたり、鍋を空焚きしたりするんです。認知症かもしれないと思うのですが、どこの病院に行けばいいかわからなくて……」
これだけで大丈夫です。あとは専門スタッフが、丁寧に次のステップを案内してくれます。
お住まいの地域のセンターは、「○○市(区) 地域包括支援センター」で検索すればすぐに見つかります。電話一本で、あなたの「孤軍奮闘」は終わります。
2.2 【STEP2】かかりつけ医から専門医へつなぐ 受診を嫌がる親への対処法


地域包括支援センターに相談すると、次のステップとして専門医の受診を勧められます。「認知症疾患医療センター」や「物忘れ外来」のある病院を紹介してもらえるケースがほとんどです。
ただ、ここで最大のハードルが立ちはだかります。「親が病院に行きたがらない」問題です。
「私はどこも悪くない」「ボケてない」…こう言われて、そこから先に進めなくなるご家族は本当に多い。母もそうでした。
私が使った方法は、かかりつけ医を「踏み台」にすることでした。
母は高血圧で月1回、近所のクリニックに通っていました。そこで、事前にかかりつけの先生に電話で事情を説明し、「次の受診の時に、さりげなく認知機能の確認をしていただけませんか」とお願いしたんです。
先生は快く引き受けてくださいました。診察の中で「最近、物忘れが気になりませんか? 念のため、専門の先生にも診てもらいましょうか」と自然に話を持っていってくれた。母も「先生がそう言うなら……」とすんなり受け入れてくれたんです。
❌「認知症かもしれないから病院に行こう」→ 本人のプライドを傷つけ、拒否される
⭕「最近の健康診断で脳の検査も受けられるんだって。一緒に行ってみない?」
⭕「私も心配だから、安心するために一度先生に相談させて」
⭕ かかりつけ医に事前相談 → 診察の流れで自然に紹介してもらう
2.3 【STEP3】兄弟姉妹に現状を共有する 「一人で抱え込まない」の第一歩


兄弟姉妹への共有は、早ければ早いほどいい。これは断言します。
なぜなら、後から「聞いてなかった」「なんで相談してくれなかったの」と言われるのが、介護の家族トラブルで最も多いパターンだからです。
私にも弟がいますが、遠方に住んでいるため、最初は「大変だね」の一言で終わりかけました。正直、「お前も当事者なんだぞ」と言いたい気持ちはありましたよ。
でも、感情的になっても状況は改善しません。エンジニア時代のプロジェクト管理と同じで、事実ベースで、やるべきことを共有するのが最も効果的でした。
① 親の現在の状態(具体的なエピソードを時系列で)
② 医師の診断結果(認知症の種類、進行度)
③ 今後の方針案(在宅介護か施設か、費用はどう工面するか)
④ 役割分担の提案(近くの人=日常のケア、遠くの人=費用負担やリモート手続き)
遠方にいる兄弟が「何もできない」ということはありません。介護費用の一部を負担する、必要な行政手続きを電話やオンラインで調べる、定期的に帰省して交代で見守る…やれることはたくさんあります。
大事なのは、「メインの介護者に負担が集中しないこと」。これが、介護を長く続けるための鉄則です。
2.4 【STEP4】介護認定を申請する 手順と準備物チェックリスト


介護サービスを利用するためには、「要介護認定」を受ける必要があります。これは「あなたの親御さんには、どの程度の介護が必要ですか」を公的に判定してもらう手続きです。
申請先は、お住まいの市区町村の窓口。ただし、STEP1で相談した地域包括支援センターが申請を代行してくれるケースも多いので、まずはそこに相談するのがスムーズです。
市区町村の窓口(または地域包括支援センター)に、介護保険の要介護認定申請書を提出します。持ち物は介護保険被保険者証(65歳以上の親なら手元にあるはず)。見つからない場合は窓口で再発行できます。
申請と同時に、主治医(かかりつけ医)に「主治医意見書」を書いてもらいます。これは市区町村から直接主治医に依頼が行く仕組みですが、事前に主治医に「介護認定の申請をしました」と伝えておくとスムーズです。
市区町村の認定調査員が自宅を訪問し、本人の心身の状態を調査します。所要時間は約1時間。ここで重要なのは、家族が同席すること。認知症の方は調査員の前では「しっかりして見せよう」とするため、普段の様子を家族が補足説明する必要があります。
コンピューターによる一次判定と、専門家による二次判定(介護認定審査会)を経て、結果が通知されます。申請から結果通知まで約30日。結果は「非該当」「要支援1〜2」「要介護1〜5」のいずれかで判定されます。
一つだけ注意点があります。認定結果に納得がいかない場合は「区分変更申請」ができます。認知症は日によって症状の波があるため、調査日にたまたま調子が良かったせいで軽く判定されるケースもあるんです。そんなときは、ケアマネさんに相談して再申請を検討してみてください。
2.5 【STEP5】親の資産状況を把握する 先延ばしが最大のリスク


ここが、多くの人が見落とすポイントです。
認知症の介護で最も大きな「壁」になるのは、実は体力でも精神力でもなく、お金です。しかも、「お金がない」問題ではなく、「お金があるのに使えない」問題。
認知症が進行すると、銀行口座が凍結されます。親の預貯金が数百万円あったとしても、1円も引き出せなくなる。年金が振り込まれても、使えない。介護費用が払えない…。これが「資産凍結」のリアルです。
だからこそ、親がまだ判断能力を持っている「今」のうちに、資産状況を把握しておくことが極めて重要なんです。
✅ 預貯金(どの銀行に、おおよそいくらあるか)
✅ 年金の受給額(月額いくら受け取っているか)
✅ 不動産(持ち家・土地の名義は?)
✅ 保険(生命保険・介護保険の加入状況)
✅ 借金やローン(住宅ローンの残りはないか)
✅ 通帳・印鑑・キャッシュカードの保管場所
「親にお金の話なんて切り出しにくい」…その気持ちは痛いほどわかります。私も最初は躊躇しました。
でもね、結局こう切り出したんです。「お母さんに何かあったとき、私がちゃんと対応できるように準備しておきたいんだ」と。「あなたのお金を取りたい」のではなく「あなたを守りたい」という気持ちで伝えれば、多くの親御さんは理解してくれます。
このSTEP5が、次の章で詳しく解説する「お金の壁」を乗り越えるための土台になります。
3. 知らないと詰む「お金の壁」 認知症で親の口座が凍結される前にやること


認知症の介護で、多くのご家族が「まさか」と声を上げる瞬間があります。それが、銀行窓口で告げられる「お手続きできません」の一言。
親の治療費を払おうとしたら、口座が止められていた。年金が振り込まれているのに、1円も引き出せない。…これが「認知症による資産凍結」の現実です。
知っている人は事前に備えられます。知らない人は、ある日突然、途方に暮れることになります。制度は、知っている人だけの味方です。
3.1 銀行口座凍結のリアル 親の年金すら引き出せなくなる日


銀行は、口座名義人の判断能力が低下したと認識した時点で、口座を凍結します。これは「意地悪」ではなく、認知症の本人が詐欺被害に遭ったり、家族が不正に引き出したりするのを防ぐための保護措置です。
では、銀行はどうやって「認知症」を知るのか? 主なパターンはこうです。
- 本人が窓口で手続きしようとした際、会話がかみ合わない・署名ができない
- キャッシュカードの暗証番号を何度も間違える
- 家族が「親が認知症で……」と銀行に相談した(善意の報告がトリガーになることも)
- 不自然な大口引き出しや送金が続き、銀行が確認を取った結果わかった
口座が凍結されると、入出金の一切ができなくなります。ATMでの引き出しも、公共料金の自動引き落としも、介護施設への支払いも、すべてストップ。親名義の不動産の売却もできません。
凍結後に口座を動かす方法は、原則として「成年後見制度」の利用のみ。これは家庭裁判所への申し立てが必要で、後見人が選任されるまで約3〜4ヶ月かかります。その間、親の介護費用は家族が立て替えるしかありません。



でも、親のお金の話なんて切り出しにくいわよ……。「お金目当て」って思われたらどうしよう



わかります。でもね、先延ばしにした結果、口座が凍結されて介護費用が出せなくなる方がずっと辛いんですよ。今動くことが、親を守ることになるんです
3.2 「家族信託」と「成年後見制度」 どちらを選ぶべきか


資産凍結を防ぐ(または凍結後に対処する)ための制度は、大きく分けて2つあります。それぞれの特徴を整理しましょう。
| 比較項目 | 家族信託 | 成年後見制度(法定後見) |
| 設定タイミング | 親の判断能力があるうちに | 判断能力が低下した後でも可 |
| 手続きの主体 | 親本人と家族が契約 | 家庭裁判所に申し立て |
| 費用 | 初期費用30〜100万円程度 | 申立費用約1〜2万円+後見人報酬(月2〜6万円) |
| 柔軟性 | 高い(不動産売却なども可能) | 低い(裁判所の監督下、原則「保存行為」のみ) |
| 資産管理の範囲 | 信託した財産のみ | 全財産 |
| メリット | 家族の判断で機動的に動ける | 法的な権限が強い。身上監護もカバー |
| デメリット | 親が元気なうちにしか設定できない | ランニングコストが継続的にかかる |
ざっくり言えば、「まだ親が元気なら家族信託」「すでに判断能力が低下しているなら成年後見制度」という使い分けになります。
もう一つ、「任意後見制度」という選択肢もあります。これは「元気なうちに、将来の後見人を自分で選んでおく」制度。成年後見制度の「事前準備版」と考えるとわかりやすいですね。
どの制度が自分の家族に合っているかは、ケースバイケースです。まずは弁護士や司法書士への無料相談を利用してみてください。自治体が主催する無料法律相談もありますよ。
3.3 介護費用の目安 「親のお金で、親の介護をする」という鉄則


認知症の介護にどのくらいお金がかかるのか。ここは具体的な数字で見ておきましょう。
| 介護の形態 | 月額費用の目安 | 備考 |
| 在宅介護(軽度:要介護1〜2) | 約5〜8万円 | 介護保険サービス+おむつ代等 |
| 在宅介護(重度:要介護4〜5) | 約10〜15万円 | 訪問介護の頻度が増える |
| グループホーム | 約15〜20万円 | 認知症専門、少人数で家庭的 |
| 特別養護老人ホーム(特養) | 約8〜15万円 | 要介護3以上、待機者が多い |
| 介護付き有料老人ホーム | 約20〜35万円 | サービスは充実、費用は高め |
介護保険を使えば、サービス費用の自己負担は原則1割(所得に応じて2〜3割)で済みます。さらに、自己負担額が一定額を超えた場合は「高額介護サービス費」として払い戻しを受けることもできます。
ここで、一つだけ絶対に守ってほしい鉄則があります。
親の介護費用に、子の老後資金を使ってはいけません。
冷たく聞こえるかもしれません。でも、60代の私たちにとって、退職金や貯蓄は「自分たちの老後を支える命綱」です。介護は何年続くかわからない。自分の資金を使い果たした結果、今度は自分が「お金がない高齢者」になってしまっては、まさに共倒れです。
介護費用は「親の年金と資産の範囲内」で賄う。これが原則です。
どうしても足りない場合は、以下のセーフティネットがあります。
- 高額介護サービス費制度 : 月々の自己負担に上限があり、超過分が払い戻される
- 特定入所者介護サービス費(負担限度額認定) : 低所得の方は施設の食費・居住費が減額される
- 自治体独自の減免制度 : お住まいの市区町村に問い合わせてみてください
- 生活保護 : 最後のセーフティネット。恥ずかしいことではありません
制度を知り、使い倒すこと。それが「親を守りながら、自分も守る」唯一の方法です。
4. 認知症の親にどう接すればいい? 「否定しない」だけでは足りない5つのコツ


制度やお金の話も大切ですが、日々の暮らしの中で最も苦しいのは、「親が変わっていくこと」と向き合う時間だと思います。
「さっき言ったのに覚えていない」「急に怒り出す」「泥棒扱いされる」…。正直に言って、私も何度も心が折れかけました。
よく「認知症の人には否定しないで」と言われますよね。それはその通りなんですが、実際にはそれだけでは足りません。もう少し具体的な「コツ」を、私の経験からお伝えします。
4.1 「さっき言ったでしょ」は禁句 認知症の人が見ている世界を知る


認知症の人は「嘘をついている」のでも「わざと困らせている」のでもありません。本当に覚えていないんです。
母が「通帳が盗まれた!」と騒いだとき、最初は「お母さん、自分でしまったんでしょ」と返していました。するとますます興奮して「あんたが盗んだのね!」と。
あの時の胸の痛みは、今でも鮮明に覚えています。40年以上育ててくれた母に、泥棒扱いされたんですから。
でも、認知症について学ぶうちにわかったんです。母は「不安」なんだと。大切なものがどこにあるかわからない不安を、「盗まれた」という形で表現しているだけ。不安の表現方法が変わっただけで、母の根っこにある気持ちは「怖い」「助けて」だったんです。
それに気づいてからは、「困ったね、一緒に探そう」と答えるようにしました。すると母の表情が和らぐ。見つかれば「あら、ここにあったわ」と笑ってくれる。その笑顔を見るたびに、「この対応で良かったんだ」と確認できます。
4.2 BPSD(行動・心理症状)への向き合い方 徘徊・暴言・妄想は「病気がそうさせている」


認知症が進行すると、BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia=行動・心理症状)と呼ばれる症状が現れることがあります。
- 徘徊 : 目的なく歩き回る。家に帰れなくなることも
- 暴言・暴力 : 突然怒り出す、手を上げる
- 被害妄想 : 「お金を盗まれた」「食事に毒を入れられた」
- 昼夜逆転 : 夜中に起き出して活動する
- 介護拒否 : 入浴・着替え・食事を拒む
これらは「親の人格が変わった」のではなく、「脳の病気がそうさせている」のだと理解してください。
怒り返しても、正論を言っても、効果はありません。むしろ本人の不安や混乱を増幅させてしまいます。
✅ 否定しない : 「そんなことない」と頭ごなしに否定しない
✅ 気をそらす : 好きな話題や歌、おやつなどで注意を別の方向に向ける
✅ 環境を整える : 不安の原因(暗い部屋、騒音、見慣れない人)を取り除く
✅ 規則正しい生活リズム : 日中の活動量を増やし、昼夜逆転を防ぐ
✅ 無理に止めようとしない : 安全を確保したうえで、本人のペースに合わせる
そして、最も大切なことを一つ。BPSDに疲弊しているあなた自身を責めないでください。「もっと上手に対応できるはず」と自分を追い詰めないでほしいんです。プロの介護職でも苦労する症状なんですから。
症状が強い場合は、主治医に相談すれば薬物療法で緩和できるケースもあります。一人で耐える必要はないんです。



おばあちゃんが急に怒り出すのって、どうにかならないんすか? 正直ちょっと怖いんすけど



タケシくん、怖いと感じるのは自然なことよ。でもね、それは病気がそうさせてるの。おばあちゃん自身も、きっと苦しんでいるのよ
4.3 「残っている力」を活かす関わり方 認知症でもできることはたくさんある


認知症=何もできなくなる、ではありません。これは声を大にして言いたい。
確かに新しいことを覚えるのは難しくなります。でも、長年の習慣で身についた動作…洗濯物をたたむ、庭の花に水をやる、昔の歌を歌う…こういった「手続き記憶」と呼ばれるものは、認知症が進んでも比較的保たれることが多いんです。
母の場合、料理の段取りは忘れてしまいましたが、洗い物はできます。洗濯物をきれいにたたむのも上手です。「ありがとう、助かるよ」と声をかけると、嬉しそうに笑ってくれます。
「できなくなったこと」に目を向けると、悲しみしか生まれません。「まだできること」に光を当てると、親子の間に穏やかな時間が流れます。
デイサービスでは、レクリエーションや軽い運動を通じて、認知症の方が社会との接点を持ち続けることができます。家にこもりきりになるよりも、人と話し、体を動かし、笑うことが、何よりのリハビリになるんです。
5. 60代が「共倒れ」しないための、プロを巻き込む「チーム介護」の作り方


ここからが、この記事で最もお伝えしたいことです。
「一人で頑張らないで」…よく聞く言葉ですよね。でも、精神論だけでは人は行動を変えられません。ここでは、「一人で抱え込まない」を、具体的な仕組みとして作る方法をお伝えします。
5.1 なぜ「家族だけの介護」は破綻するのか 老老介護の現実


60代の子が80〜90代の親を介護する。これは紛れもなく「老老介護」です。
冷静に考えてみてください。60代の私たちは、自分自身も腰が痛い、膝がきしむ、夜中にトイレに起きる、血圧が気になる…そんな世代です。そこに、24時間の見守りが必要な認知症介護が加わる。
認知症の介護期間は平均6〜7年。10年を超えるケースも珍しくありません。6年間、毎日です。毎晩です。休みはありません。
介護者の健康被害として多いのは、腰痛、睡眠障害、そしてうつ病。「頑張れば何とかなる」…これは、介護において最も危険な思考パターンです。
さらに、介護のために仕事を辞める「介護離職」に踏み切ると、収入が途絶えます。そして一度離職すると、60代での再就職は極めて厳しい。介護は終わったけれど、自分の老後資金が底をついた…そんな二次被害が、現実に起きているんです。
共倒れは、誰も幸せにしません。親だって、自分の子どもが自分のせいで壊れていく姿を望んではいないはずです。
5.2 「チーム介護」の編成方法 ケアマネ・デイサービス・ショートステイの活用


「チーム介護」とは、家族だけでなく、介護の専門家たちを巻き込んだ支援体制のことです。私はこれを、エンジニア時代のプロジェクトチームになぞらえて考えています。
プロジェクトを一人で回そうとしたら、必ず破綻する。メンバーの得意分野を活かし、適材適所で役割分担する。介護もまったく同じです。
🔹 ケアマネジャー(介護支援専門員)
いわばプロジェクトマネージャー。介護サービスの調整役として、ケアプラン(介護計画)を作成し、各サービス事業者との連絡調整をしてくれます。困ったことがあれば、まずケアマネさんに相談。
🔹 デイサービス(通所介護)
日中、親を施設に預けてレクリエーションやリハビリ、食事、入浴をしてもらえるサービス。介護者にとっては「自分の時間」を確保できる貴重な手段。週2〜3回の利用から始めるケースが多いです。
🔹 ショートステイ(短期入所生活介護)
数日間〜1週間程度、施設に泊まりで預けられるサービス。介護者が体調を崩した時、冠婚葬祭の時、単純に「リフレッシュしたい時」にも使えます。
🔹 訪問介護(ホームヘルプ)
ヘルパーさんが自宅を訪問し、食事・入浴・排泄の介助や、掃除・洗濯・買い物などの生活援助をしてくれます。
🔹 訪問看護
看護師が自宅を訪問し、健康管理や医療処置を行います。認知症の薬の管理なども含まれます。
これらのサービスは、介護保険の認定を受けていれば、自己負担1〜3割で利用できます。「お金がかかるから」と尻込みする前に、まずケアマネさんに「うちの場合、月々いくらで、どんなサービスが使えますか?」と聞いてみてください。想像より手頃なことが多いですよ。
私の場合、母のケアプランは「週3回のデイサービス+月1回のショートステイ」から始めました。最初は母も「行きたくない」と渋っていましたが、3回目くらいから「今日は楽しかったわ」と笑顔で帰ってくるようになった。あの笑顔を見た時、「ああ、プロに任せて正解だった」と心底思いましたね。
5.3 施設入所は「最後の手段」ではなく「最善の選択」になり得る


「親を施設に入れる」…この言葉に、胸がチクリと痛む方は多いのではないでしょうか。
「まだ自分でできるはず」「施設に入れるのはかわいそう」「最後まで家で看たい」。その気持ちは、親を思う愛情の裏返しですよね。
でも、一つ考えてみてください。
在宅介護を続けた結果、子が疲弊し、イライラし、つい親にきつい言葉を浴びせてしまう。そんな日々は、本当に「親のため」なのでしょうか。
施設、特にグループホームは、認知症の方に特化した少人数制の生活空間です。プロのスタッフが24時間見守り、食事もレクリエーションも、本人のペースに合わせて提供してくれます。
そして何より…施設に入所した親のもとを「面会」で訪れるとき、あなたは「介護者」ではなく「子」に戻れるんです。
おむつを替えなくていい。ご飯を作らなくていい。夜中に起きなくていい。ただ、手を握って、隣に座って、一緒にお茶を飲む。
穏やかな笑顔で親と向き合える時間。それは、在宅介護で疲弊していた頃には失われていたものかもしれません。



「施設に預けるなんて」と自分を責めていた時期がありました。でも、プロに母の日常を任せたことで、面会のたびに穏やかな顔で話せるようになったんです。介護者でいることをやめて、「息子」に戻れた。あれが正解だったと、今は確信しています
施設の種類と特徴を簡単に整理しておきます。
| 施設の種類 | 特徴 | 対象 | 月額費用目安 |
| グループホーム | 認知症専門、少人数(5〜9人)、家庭的な雰囲気 | 要支援2〜要介護5(認知症の診断あり) | 15〜20万円 |
| 特別養護老人ホーム(特養) | 公的施設で費用が安い、終身利用可 | 原則 要介護3以上 | 8〜15万円 |
| 介護付き有料老人ホーム | サービスが充実、24時間介護体制 | 自立〜要介護5 | 20〜35万円 |
| サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 見守り+生活相談、自由度が高い | 自立〜軽度 | 12〜25万円 |
施設選びに迷ったら、ケアマネさんに相談してみてください。親御さんの状態、家族の状況、予算に合った施設を一緒に探してくれますよ。
6. よくある質問(FAQ)


- 認知症の診断はどこの病院で受けられますか?
-
「物忘れ外来」や「認知症疾患医療センター」のある病院で受けられます。まずはかかりつけ医や地域包括支援センターに相談すれば、お住まいの地域の専門医を紹介してもらえます。厚生労働省のウェブサイト(認知症に関する相談について)でも相談窓口を確認できます。
- 介護認定の申請から結果が出るまでどのくらいかかりますか?
-
原則として、申請から約30日で結果が通知されます。ただし、地域によっては混み合って1ヶ月半ほどかかることもあります。なお、認定結果が出る前でも、暫定的にケアプランを作成してサービスを開始することが可能です。ケアマネさんに相談してみてください。
- 親が病院に行くのを拒否します。どうすればいいですか?
-
「認知症の検査」と伝えると拒否されがちです。「健康診断の一環で脳も診てもらおう」「私も心配だから付き添わせて」など、本人のプライドを傷つけない声かけが有効です。それでも難しい場合は、かかりつけ医に事前に相談し、通常の診察の中で認知機能のチェックをしてもらう方法もあります。
- 認知症の進行を遅らせる薬はありますか?
-
アルツハイマー型認知症に対しては、進行を遅らせる薬(コリンエステラーゼ阻害薬など)が処方されるケースがあります。「治す」薬ではありませんが、早期に使い始めることで、症状の進行を緩やかにする効果が期待できます。主治医と相談のうえ、適切な治療方針を決めてください。
- 地域包括支援センターへの相談は無料ですか?
-
はい、完全に無料です。電話でも対面でも費用はかかりません。介護・福祉・医療の専門職が、認知症のこと、介護サービスのこと、お金のことなど、幅広い相談に対応してくれます。「何を聞いていいかわからない」状態でも大丈夫。「親のことで相談したい」の一言で十分です。
- 兄弟が介護に協力してくれません。どうすればいいですか?
-
まず、現状を事実ベースで共有してください。「こんなに大変」という感情論ではなく、「月○回の通院、週○回のデイサービスの送迎、月○万円の費用がかかっている」と具体的な数字で伝えると、協力を引き出しやすくなります。遠方にいる兄弟でも、費用の分担、行政手続きの調査、定期的な帰省などで貢献できます。それでも協力が得られない場合は、地域包括支援センターの担当者に家族間の調整を相談することもできます。
- 認知症の親の運転免許はどうすればいいですか?
-
認知症と診断された場合、道路交通法により運転免許は取り消し(または停止)の対象になります。75歳以上の方は免許更新時に認知機能検査が義務づけられていますが、更新時期を待たずに医師の診断書をもとに公安委員会に届け出ることもできます。本人が拒否する場合は、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談し、第三者から話してもらうのも一つの方法です。
7. まとめ 60代の「今」動くことが、親と自分の未来を守る


最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
この記事でお伝えしたかったのは、たった一つのことです。
「親の認知症に気づいたら、一人で抱え込まず、プロの力を借りて”チーム”で支える体制を作ってほしい」ということ。
もう一度、この記事の要点を整理します。
- 加齢の物忘れと認知症の物忘れには決定的な違いがある。「体験そのものを忘れる」「忘れたことに気づかない」はサインです
- 最初の一手は「地域包括支援センター」への電話。無料で、何でも相談できる。ここからすべてが動き出します
- お金の問題は先手必勝。資産凍結される前に、親の資産状況を把握し、家族信託や成年後見制度を検討してください
- 「親の介護費用は親の資産で」が鉄則。子の老後資金を切り崩してはいけません
- BPSDは「病気がそうさせている」。否定せず、気をそらし、環境を整える。自分を責めない
- 「チーム介護」で共倒れを防ぐ。ケアマネ、デイサービス、ショートステイ…プロの力を借りることは、逃げではなく最善の選択です
- 施設入所は「子に戻れる」チャンス。介護者ではなく、穏やかに笑顔で向き合える「子」として
親が認知症になるのは、悲しいことです。昨日まで当たり前だった日常が、少しずつ形を変えていく。それを受け入れるのは、簡単なことではありません。
でも、「知って、動いた人」の家族は、穏やかな時間を取り戻しています。
制度は複雑ですが、味方にできます。プロは遠い存在ではなく、電話一本で繋がれます。あなたは一人ではありません。
まずは、地域包括支援センターに電話してみてください。それが、あなたの「チーム介護」の最初の一歩です。



制度は複雑ですが、知っている人だけが救われます。親の認知症は、悲しいことです。でも、「知って、動いた人」の家族は、穏やかな時間を取り戻しています。まずは地域包括支援センターに電話してみてください。それが、あなたの「チーム介護」の最初の一歩ですよ



最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
本記事の注意事項(免責事項)
最後までお読みいただきありがとうございました。本記事の内容は筆者の個人的な見解や体験に基づくものであり、読者様の状況や環境によって最適な答えは異なります。情報を参考にされる際は、必ずご自身の判断でご活用ください。当ブログの情報を利用したことによるいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。


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